ふるさとの味

尾鷲から届きました。
父の故郷であり、私の生まれ故郷です。
親戚も亡くなったり、老齢化したりで、以前ほどの太いパイプはありませんが、年に数回は父の叔母が送ってくれます。

尾鷲
降水量は日本一ですが、これといって産業の無い所です。
さかなは美味しいです。
鯵の一夜干し、鯵のたまり漬け、鰹の生節それにくき漬けです。




くき漬けが大好物ですが、こちらでは売ってません。



八ツ頭(サトイモの一種)の茎を塩と赤紫蘇で漬けたものです。
この八ツ頭が育つには大量の水と栄養分が必要で、一時でも途絶えると枯れてしまうそうです。
それで尾鷲を中心とした東紀州でしか作ってないのですね。
昔から庶民の味だったそうです。
これを細かく刻んで鰹の生節と和えて食べると最高、お茶漬けにするといくらでも食が進みます。
生姜醤油をかけたりとかいろんな食べ方があるようですが、このシンプルな食べ方が好きで、紫蘇の塩分で丁度いい塩梅になります。




そう、六月~九月が旬で、しゃきしゃきした歯ごたえと紫蘇の風味で夏場の食欲増進を促します。
以前、お漬物を作ってる会社の友人に、くき漬を作って販売してほしいと、知っている限りの情報を伝えたのですが、どうもイメージがわかなかったようです。
でも、さぬきではあわないでしょうね。
お魚類も、こちらで売ってるものとは味が全くと言っていいほど違います。
うまみがあり、鰹節もよそのは買う気にもなりません。
さかな苦手な弟も尾鷲で生まれたせいか、このくき漬けだけはよく食べてくれます。
ただ、ご多分にもれず、近年、生産量が少しずつ減ってきたそうです。
人生最後に食べたいものは何ですか?と聞かれたら迷わずくき漬けと鰹のなまり節と答えます。

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