姜尚中(カン サンジュン)

私は姜尚中さんの声にしびれます。
上手く表現できないけど、低いのによく通る、太くて落ち着いた、韓国の俳優さんによくある声質のような気がします。
政治学者であり、韓国人で初めて東大の教授になった人です。
見た目も、身のこなしもスマート、大阪弁だとシュッとしていると言うのでしょうか。
知的、インテリジェンスの塊のようにも思えます。
その姜さんと音楽プロデューサーの松任谷正隆さんの「ミュージック・ポートレイト」というTV番組を見ました。

あなたの人生にとって大切な十曲を選ぶとしたら。
曲をお互いに紹介しながら、当時の思い出とか人生観をかぶせていく番組でした。
私も二人と同世代なので、時代背景とか 選んだ曲とか、手に取るようにわかります。
リンゴ追分・アイドルを探せ・砂に消えた涙・帰ってきた酔っぱらい・イムジン河・ヨイトマケの唄・リリー・マルレーン等々




在日韓国人で、お母さんは文字が読めず、ひどい生活を強いられたとか。
自分の出自に悩んだとか、デラシネ(根なし草)の感覚がつきまとったという姜さん。
バッハのゴールトベルク変奏曲は彼に癒しというか何か叱咤激励のようにも聞こえるとか。
対照的に裕福な家に生まれた松任谷さんは、とにかく本物を見つけたいという思いがあり、出口はどこだ、光はどこにあるんだろうと常に悩み続けていたとか。
いろいろ悩んだ末に解決したのは荒井由美さんと結婚してからだと言う。
十曲紹介しながら、二人は現在に至るまでを感情的にもならず 淡々と訴え続けます。



そして十曲目 死ぬ前にもう一度聴きたい曲
茶摘み」と「ひこうき雲」です。
いま姜さんの「(オモニ)」を読んでるところです。この本にもでてきます。
「自分が小さい頃聴いた曲が一番安心するんじゃないかと思う。」



松任谷さんはユーミンの曲を選びました。
 「お前のためにずっと僕の音楽は捧げてきたぞ」 「私達はチームよ」
私はあの頃そんなに真剣に人生と向き合っていただろうか?
ただ目の前のことを片づけていくだけで、食べていくだけで精いっぱいだったような気がします。

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