オリンパス騒動

事件の内容が明らかになるにつけ、信じられないような金額、損失隠しがあぶりだされてきました。
でもオリンパスというキーワードへの関心は私の場合全く別のところにあります。
満州で戦闘機の操縦を教えていた父は昭和20年8月19日、陸軍士官学校58期生の学生90名の奉天からの内地輸送指揮官として、抜擢されました。
58期生は優秀な方ばかりで、それだからこそ、敗戦後の日本を立て直すのに必要な人材だからと、上官のとっさの判断で送還されたのですが、その時の列車が奉天発最後の列車になりました。
間一髪で帰還できたわけです。
(安東から父はひきかえし、ソ連軍に投降し、シベリアに抑留されました。)
その学生達の中の双璧が、富士通の社長・会長だった山本卓眞氏オリンパスの社長・会長をしていた下山敏郎氏でした。

帰国後お二人とも東大に進まれました。
この方たちのことを父はいつも誇らしそうに語っていました。
陸士の会合の時は、決まって父を上座に迎えてくれていました。
のちに軍服姿の下山氏を新聞で拝見しました。
恩師の金時計を賜った、名実ともに優秀なかたでした。
父の自叙伝を差し上げたときにも、とっても丁寧なお返事を下さり、お返事ばかりを纏めて作ったありがとうにも、載せさせていただきました。




どんな方かなあと想像してた方をこの騒動で、思いがけず、ブラウン管の向こうや、週刊誌でお目見えすることになりました。



下山氏が社長をされていた時すでに損失隠しが行われていたから、会社のトップとしては責任をとわれてもしかたないでしょう。
でも氏は「まったく知らなかった」と発言されていました。
私は軍人だから経理のことはタッチしてなかったとも。
父の生き様を見てても判ったのですが、サムライ武士道精神はたっぷりあって、殿様商法、損はしても儲けることは絶対なかったです。
常に天地神明に誓って、誰にもはばかるようなことはしてこなかったはずです。
ウィキぺディアでみると、下山氏もかなり苦労をされて、その地位にまで登りつめたのに、清廉潔白に生きてこられたのに、晩節を汚すようなことになり、お気の毒としか言いようがありません。
調べれば氏の潔白は証明されるはずです。
御歳87歳とか、残りの人生、心穏やかに過ごさせてあげたいものです。

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