中学時代、不登校で8カ月以上学校を休んだ時、あれだけ大勢いた先生の中で、唯一私の事を心配してくれたA先生。
大学を卒業したばかりの若い、英語の先生で、その時は独身でした。
「○○さん、どんなにつらいことでも、時間が解決してくれるんよ」と励まし続けてくれました。
その先生が足を痛めて、あずさ鍼灸整骨院に治療に来られるようになり、「これで生きる希望が湧いてきた!」と喜んで下さったのも束の間、圧迫骨折になり、入院を余儀なくされ、腰の手術の失敗で寝たきりになってしまったとか。
色々探りを入れていたら、友人のSちゃんが担当医師であることが解りました。
お見舞いに行くのに、何がいいかなあ,病院で着られる、介護用の寝巻を探してみましたが、思うようなのが見つかりません。
機能的なだけでは楽しくないし・・・
自分で作ることにしました。
肌触りがいいようにガーゼタイプの優しい色合いの生地を買ってきました。
オシャレな先生だから、レースをつけました、洗濯してもアイロンかけなくてもいいように、それなりに工夫して、紐で結べるデザインです。
超特急で仕上げて、出来次第すぐに病院に直行しました。
病室で、案内してくれなかったらわからなかっただろうと思えるほど先生の容貌は激変していました。
鼻にチューブが差し込まれています、食事できないし、同じ方向ばかりを見ています。
「誰?」「Tちゃんよ、わかる?」うなずいて「お母さん元気?」有難いことにこんな状況で母の事を気にかけてくれたのです。
でも、耳が聞こえてるのかどうか、スムーズに会話が成立しないし、顔ばかり見て言葉が出てきません。
正視に堪えない、お気の毒で、「来なければよかった」と、「こんな寝巻なんか役に立つのかしら?」心は千路に乱れます。
「このまま帰ろうか?」でも思い切って話しました。
「先生、ここで着られる寝巻縫ってきたの、着てくれます?」ゆっくりうなずいて「ありがとう」耳を疑いました。
広げて見せました、「レースが派手だと言われないかな」でもそれを見ても拒否されませんでした、良かった~
あまり話しかけても、答えてもらうのが負担になってもいけないと、早々に退出しました。
つらかったです~いろんなこと考えさせられました。
でもSちゃんに話すと、「今、行ってあげてよかったのよ。これから病気が進行すると、誰かもわからなくなるのよ」と言われて、気持ちが軽くなりました。