私が受験生だった時代から朝日新聞の「天声人語」は入試によく出るから目を通しておくようにと言われていたような記憶があります。
その昔、丸谷才一氏の「女ざかり」を読んだ時のことが頭をかすめます。
新聞の論説の内容がもとで、政府から圧力をかけられ、論説委員の職を追われようとしている女記者と政府の攻防を描いてベストセラーになり、吉永小百合主演での映画も観ました。
この映画で印象に残ったのは、吉永小百合が物を口に入れて咀嚼する姿が大写しになり、小百合様はこんなシーンでも優雅だということと、論説を書く人は、一日にこれだけを書く事が仕事なんだなあと、判ったことでした。
最近この天声人語・書き写し専用ノートが発行されたので、早速買いました。
初めての人には一冊目は無料だそうで三冊買って二冊分の¥420でした。
一冊に一カ月分収まります。
603文字の中にその日のテーマがあらゆる方向から調べて、うまくまとまり、いつも感心するくらい光った文章です。
この文章力には脱帽です。
うらやましいけど、足元にも及びません。膨大な知識をお持ちの方が書かれているのでしょう。
どんな細かなことでもきちんと調べ上げて、活字にしないと、全国の読者の目が集中していますから、毎日となると相当なプレッシャーだと思います。
その記事を
切り取ってはりつけるところ、
記事の要約とか、漢字・意味など、自分のその日の出来事でも何でも書けるスペースもあります。
ますめがあるのでそのとおりきっちり書いていけばいいだけですが、なかなか時間がかかります。
でもお手本どおりにすれば、ピッタリ収まるので、すがすがしい気分になります。
ただの自己満足ですが・・・
書いてみると、判っているつもりの文字があやふやだったり、同じような字でも意味が違っていたり、知らなかった用語に出会ったり、なかなかてごわいですぞ。
どんなに帰宅が遅くなっても書き写す癖がつきました。
滞ると後が大変です。何しろ新聞休刊日以外は毎日届きますから。
その分
DSは長期休暇です。
TVも消して静かな状態で集中して書いていると、僅かな時間ですが充実感を味わえます。
このノートの紙がどういうわけか書き易いのです、ペンの滑りが良いのです。
だから下手ななりにも丁寧にかくように心がけています。
一日一枚の文章ですが、こうやって貼り付けておくと後からでも読みたいときに読めるので重宝してます。
書き写す前に朗読するのですが、これがまた非常に難しい。
何処で息継ぎするのか、アクセントは?イントネーションは?
何のためにアナカレ通ったのやら、早くもリセットしてしまいました。
朝日新聞の記事は時々嫌いな、考え方が合わないところもありますが、このノートはよかったです。
粋な計らいです。